「このクレンジングオイルは美白効果があります」
「クリームを使えばかゆみが軽減します」
「美容成分がアンチエイジングに効果的」
これらは全て薬機法違反です。
化粧品販売されているサロンさんは広告で言える表現について理解していますか?薬用化粧品(医薬部外品)と一般化粧品の違いをしっかり知っておくと、今後の広告表現に役立ちます。
▶︎この表現が大丈夫かどうかわからないままSNSなどに発信している
▶︎広告会社さんや弁護士さんに任せっきり
▶︎他のサロンさんの真似をしている
はじめに
最近では、自宅サロンで個人営業をされる方や化粧品会社のOEM商品を取り扱うなど、化粧品の販路が広がってきました。
お店で販売している化粧品についてどのように広告していますか?インターネットの普及でSNSでも宣伝する機会が増えました。今回は、薬機法(旧薬事法)で定められた一般化粧品で表現することのできる効能効果について紹介していきます。
(一般)化粧品を売るために
化粧品は、薬用化粧品(医薬部外品)よりも作用が緩徐なものとされています。化粧品が広告表現可能な効能効果は56項目だけです。
広告表現可能な56項目
実際に決められている内容はかとなります。意味が同じであれば言い換え表現も可能です。
(1) 頭皮,毛髪を清浄にする. (29) 肌を柔らげる. (2) 香りにより毛髪,頭皮の不快臭を抑える. (30) 肌にはりを与える. (3) 頭皮,毛髪をすこやかに保つ. (31) 肌にツヤを与える. (4) 毛髪にはり,こしを与える. (32) 肌を滑らかにする. (5) 頭皮,毛髪にうるおいを与える. (33) ひげを剃りやすくする. (6) 頭皮,毛髪のうるおいを保つ. (34) ひげそり後の肌を整える. (7) 毛髪をしなやかにする. (35) あせもを防ぐ(打紛). (8) クシどおりをよくする. (36) 日やけを防ぐ. (9) 毛髪のつやを保つ. (37) 日やけによるシミ,ソバカスを防ぐ. (10) 毛髪につやを与える. (38) 芳香を与える. (11) フケ,カユミがとれる. (39) 爪を保護する. (12) フケ,カユミを抑える. (40) 爪をすこやかに保つ. (13) 毛髪の水分,油分を補い保つ. (41) 爪にうるおいを与える. (14) 裂毛,切毛,枝毛を防ぐ. (42) 口唇の荒れを防ぐ. (15) 髪型を整え,保持する. (43) 口唇のキメを整える. (16) 毛髪の帯電を防止する. (44) 口唇にうるおいを与える. (17) (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする. (45) 口唇をすこやかにする. (18) (洗浄により)ニキビ,アセモを防ぐ(洗顔料). (46) 口唇を保護する.口唇の乾燥を防ぐ. (19) 肌を整える. (47) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ. (20) 肌のキメを整える. (48) 口唇を滑らかにする. (21) 皮膚をすこやかに保つ. (49) ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類). (22) 肌荒れを防ぐ. (50) 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類). (23) 肌をひきしめる. (51) 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類). (24) 皮膚にうるおいを与える. (52) 口中を浄化する(歯みがき類). (25) 皮膚の水分,油分を補い保つ. (53) 口臭を防ぐ(歯みがき類). (26) 皮膚の柔軟性を保つ. (54) 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類). (27) 皮膚を保護する. (55) 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類). (28) 皮膚に乾燥を防ぐ. (56) 乾燥による小ジワを目立たなくする 注意事項
注1)例えば、「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」との効能でも可とする。
注2)「皮膚」と「肌」の使い分けは可とする。
注3)( )内は、効能には含めないが、使用形態から考慮して、限定するものである。効能効果以外の表現として、メーキャップ効果と使用感について
事実であれば表現することができます。
少し長いですが、これらの範囲内でしか広告表現はできません。
NG例
解説)”美白”表現は化粧品の効能効果の範囲を逸脱します。
解説)”かゆみ”は化粧品の効果を逸脱します。ヘアケア商品では使用できます。
解説)”アンチエイジング”は化粧品の効果を逸脱しているので使用できません。基本的にNGと思っていてください。
まとめ
最近では、過激な広告表現が結構ありますが、かなりグレーゾーン、もしくは完全に薬機法違反となっているものもあります。薬機法違反となると、行政指導と課徴金を課せられてしまう場合もあります。
知識のないまま発信することで、商品価値を落とすだけではなく取り返しのつかないことにならないよう決められたルールを守って、その中でより良い訴求ができるようにしていきたいですね。
薬剤師として臨床現場の経験はありますが、薬機法については、日々、勉強中です。内容については、理解した上で執筆をしておりますが、記事について、ご指摘やお気づきの点があれば、こちらからご連絡ください。